渡辺清次郎ホーム

撮影=鈴木信幸(
菊名駅周辺)

第15回総会(1976年)

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議案書表紙写真=6.10日立独占包囲丸の内デモ

はじめに

この一年間、私たちは日本の労働運動史上に記録されるべきいくつかの成果をかちとり、着実な前進をとげてきました。たとえば、三菱独占を相手どり、ついに全面勝利をかちとった高野闘争がそれです。“世界の三菱”にいどみ、最高裁の反動判決をのりこえてかちとった勝利は、私たちに、ゆるぎない確信と、汲めどもつきない教訓をもたらしました。道理にかなった要求、情勢を正しくとちえた適切な方針、不退転の決意、産業と地域に根ざした統一の力――これら実践的原則の創意ある適用こそ勝利への道であることを、いま私たちは、喜びと誇りをもって再確認するのです。

また私たちは、企業倒産後に労働組合を結成し、丸紅を相手に七ヶ月間を闘いぬいて一定の成果をおさめた繊維労連ユニーク労組のたたかいの経験をともにすることができました。いかなる労働者にもたたかうエネルギーがあり、たたかえば変わるというきわめて平凡な真理の具現化は、私たちのたたかいの前進のバロメーターとして正しく位置づけなければなりません。

このような前進は、もちろん争議組合、争議団の個々の努力がもたらしたものですが、統一的な運動の基軸が東京総行動にあったことはいうまでもありません。東京総行動は首都圏総行動へと発展し、神奈川、埼玉、千葉の仲間をはげまし、また千代田総行動のような地域総行動を生み出し、新たな質的転換の方向を指し示すに至りました。ここでは「官民一体」が現実のものとなり、職場と職場に血の通った連帯が生まれ、労働戦線統一への、生活点と生産点からの確実な胎動が芽生えています。私たちはここに大きな確信を持つとともに、正しく発展させるよう全力をあげなければなりません。だれが職場をにぎるか――まさにここが勝負どころだからです。

しかしこの接点にむけて、政府・財界の対応がきわめて機敏であることに、私たちは深く注意をはらう必要があります。咋年十月、経営法曹全国大会で、平岩新吾弁護士は「労働争議に伴う違法、不当な圧力手段とその対策」と題する報告を行い、東京総行動等に対する独占の側の新らたな対応の方向を明らかにしました。その後の経過は、この基本方向が警察、検察等を動かしつつ、具体化されていることを示しています。浜田、ノースウエストに対する弾圧や、本年三月から七月にかけての大量逮捕と起訴(30数件、80人以上)はそのあらわれです。

こうしたファッショ的弾圧強化の一方、政府・財界はいっそう高度な職場支配をめざし、対策を強化しています。たとえば本年7月、日経連の桜田会長はトップセミナーの席上、ロッキード疑獄を中心とする政府・自民党の混乱状態にふれ、「むしろ本命が捕った方がよい。経営トップが、職場を中心とした労使関係を安定させ、警察、裁判所および官僚組織が健全であれば、この政治混乱期を乗り切れるのではないか。」と報告しています。まさに独占資本は、警察、裁判所、官僚組織を基盤に、 「職場を基礎に」たたかうことを宣言しているのです。労働三法の形骸化と、職場における絶対的支配によって激しい「合理化」攻撃を波状的にしかけているのです。

したがって私たちは、独占の横暴を糾弾するとともに、たたかいの戦列に加わることを阻止されている独占の職場の仲間をどう組織するかに深い関心をはらわなければなりません。この意味で、「六・二〇」の日立独占糾弾の統一行動の成功や、日立市への「現地調査と大交流集会」(一〇・三~四)に多くの関心がむけられていることは、きわめて特徴的です。独占への反撃の、創造的な形態がここに見られるからです。

この二年間、私たちは五〇を越す争議を勝利させてきました。その一方で、いわゆる「二年つづきの春闘敗北」があり、高度成長の枠内でのたたかいが終りつつあることを目撃してきました。私たちは職場からの統一をめざし、多数派を早急に形成する視点を確立しなければなりません。労働組合運動の正しい発展方向のなかにこそ、私たちの真の勝利の道が開けることを確信し、ともに前進しようではありまんせか。

東京争議団第15回総会(1976年10月11日~13日 伊豆長岡富士見ハイツ)議案書より