渡辺清次郎ホーム

撮影=鈴木信幸(
菊名駅周辺)

第19回総会(1980年)

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表紙写真=芝信勝利、日航、沖電、東電、関電、日立等モンタージュ

はじめに

この一年もまた三十に近い争議の勝利を獲得してきました。

浜田、ペトリ、中須、ヴァンを始めとして闘いとった倒産争議の勝利は、倒産、破産の続出している今日、全国の中小企業労働者の闘いを激励するにとどまらず、多くの闘う仲間のはげますものとなっています。

また、東洋鋼飯、聖ルカの勝利も、日産プリンス中本さんの定年差別闘争の勝利も、婦人争議に基本的な結着をつけた意味で重要な成果だったし、婦人運動にあたえた影響は多大なものがありました。

政治反動が進み、司法反動が進むもとでも、職場、地域に根を下し、産別の仲間、全国の仲間と連帯する闘いは、着実に前進もし、勝利することを新らためて私たちに教えています。「四つの基本と三つの必要条件」に定式化された路線を一層明らかにする必要があり、この今日的整理が求められていること、そのための討議を、七○年代後半の総括と、80年代の展望に立ってみんなで力を併せてつくり上げようではありませんか。

昨年の議案書で明らかなように、政治反動と、それを推進させる労働戦線の右翼的再編成が一面では一層進行していますが、私たちが指摘したように、下からの統一が前進をする、労働者、国民の闘う決意を促進させるという皮肉な弁証法というのは、資本とこれに協力する右翼幹部が自ら認めざるを得ない結果になっていることです。

私たちはこの事実に確信をもち、労働戦線右傾化阻止に、政治反動阻止は、司法反動阻止に対する具体的で実践的な行動の提起が今ほ
ど求められているときはありません。10.21(※)の成功はこのような下からの運動の成果であったし、司法反動に反対する闘いも、総評を軸として古館糾弾、地裁労働部対策共闘会議の前進もそのことを教えています。

大企業の仲間に呼びかけた大企業における職場と地域への共同闘争はこの一年、ほぼその発展方向を明らかにできたと言っていいでしょう。沖電気の闘争を基軸として前進した電機総行動、東電を中心として関電、中電、そして電力総体の仲間を含めた闘いの前進、日産プリンス、新らたに加わった日産厚木の七名の仲間を中心にした日産関連の共同闘争、日航、三菱重工、1BMを始めとする差別反対闘争、これらの前進もまた造船の闘いと結びついて顕著な前進を見せた一年でした。

私たちは、これらの前進に見られる大企業の職場のさけがたい矛盾の深まりと、中小企業労働組合運動が実践的に結びついたとき、日本の労働組合運動の新らたな視野が確実に拡ろがるのだと確信しています。

東京争議団共闘十八年余の闘いと、それを支えた首都と首都圏の労働組合運動が、六〇年安保闘争の教訓を生かし、継承してきた結果であり、歴史の教訓に学ぶ態度こそ今一段と求められているのです。

この二〇年間は、明るい展望に照らし出されていたとはいえ、現実にその場にいたものにとっては、やはりひどく困難な「亀の歩み」の時期だった。たとえ一国においてさえ「完全な勝利」をえることはできないというレーニンの予言も、レーニン自身がかつてマルクスやエンゲルスの革命的楽天主義について述べたような、高潔な志操から生まれる過度の楽天主義(許される誤認)ではないかといわれる時代だった。現在すでに転換ははじまり、このレーニンの言葉も幾分わかりよくなっている。我々は再統一への過程が動き始めたばかりだということを知っているし、各国の労働運動も不均等発展をまぬがれない。にもかかわらず、労働組合運動はどこでも精力を吹きかえし、巨人的な力で社会に働きかけるようになっている。歴史は繰り返えさない。人間の歴史は前進をやめないであろうし、現代の労働組合運動はますます歴史の能動的な要因となることをやめないだろう。

(※)10.21全国統一行動中央集会・代々木公園

東京争議団第19回総会(1980年12月6日~8日 国労教育センター(伊豆大川))議案書より